千葉南エリアの「花篭前」ポイントについて書きたいと思います。
「花篭前」の特徴は、両サイドに障害物の無い開けたポイントで、河口や一部リーフになっている所もあり、地形が決まればチューブの綺麗な波が立つこともあります。
隣接する駐車場は、温水シャワーや冬でも暖かく着替えの出来るスペースがあり、遠くから来られる方にも便利で快適な設備が人気のポイントです。
ここの駐車場を利用したことのある方はご存知かもしれませんが、駐車場の真ん中に周りとは明らかに雰囲気の違う部分があります。
少し古墳のように盛り上がった地面に木や花が植えてあり中央にかやぶき屋根の建物が建っています。
周りの木に隠れているため、何か建っていたっけ?・・と思う方もいるかもしれません。
ずっと気になっていたというよりは、最近駐車場周辺の木を切った事によってその存在が目を引くようになったので、先日尋ねてみました。
私の予想では、海や駐車場内で事故が起きないようにと安全祈願の仏像かお地蔵様が祀(まつ)ってあるのではないかと思っていましたが
「あれはね、茶室なんだよ。」
と言われて、少し意外な感じがしました。
中を見せて頂けるというのでついて行くと、入り口の前は藤の花が綺麗に咲いていて、その下のベンチはいつでも座ってお弁当などが食べられるようになっています。
その先にある入り口の門を開けてもらうと、その先にはいつものサーフスポットの賑やかさとはまるで違う、京都にでもいるかのような素敵な空間になっていました。
たくさんの庭木、石灯篭(とうろう)、ししおどしなどがあり、中央に茶室が建っています。
畳の香りがする静かな部屋で、茶室ならではのいろりやお湯を沸かす道具、小さい入り口(躙り口・にじりぐちと言うのだそう)もありました。
私が中を見せて頂いた日はサーフィンのお客さんはいなかったのですが、普段は車がたくさん停まっていて人も多いので茶室にいてもうるさいのでは?と思い聞いてみると、「少し地面が高くなっているのと、木に囲まれているおかげで意外に静か」なのだそうです。
そして一番驚いたのは、その茶室が200年前の建物だという事です。
綺麗に手入れされているのでそんなに歴史のある建物だとは思いませんでしたが、言われてみると確かにそこだけ違う時間が流れているようにも感じられます。
当時は海沿いの道路も防砂林も無く、この茶室から海を見ることができたかもしれません。
もちろんそんな時代にサーフィンをする人はいるはずがありませんが、波は今と同じように海岸に打ち寄せていたでしょう。
興味のある方には茶室を見せて下さるとおっしゃっていたので、尋ねてみて下さい。
サーフィンを満喫した後に200年前に『タイムスリップ』してみるのも良いかもしれませんね。
もしも、本当に『タイムスリップ』が出来るとして、何かひとつだけ持って行けるとしたら皆さん何を持っていきますか?
thinking time!