新年、明けましておめでとうございます。元日早々、妻の実家近くのトレッサ横浜で、雪降る中を息子とミニ四駆に明け暮れていたMINです。本年もよろしくお願い申し上げます。
元日といえば、毎年なぜか波があるここ湘南ですが、お正月休暇は、皆さん何かと忙しいので、いつサーフィンの時間をとるのか、年末のうちに予めターゲットを決められているのではないでしょうか。そんな時は、波伝説の概況を参考にしていただいたり、経験豊富な方は予想天気図などの予報データを見て自分なりのターゲットを決められているかと思います。
数値予報の魅力
今回は、波を予想する時に欠かせない「数値予報」の活用について書こうと思います。波伝説の概況では、波が「ある・ない」「大きい・小さい」「上がる・下がる」などの予想は書かれていますが、具体的なサイズまで知りたいのが本音ですよね? それを叶えてくれる(かもしれない)のが数値予報の魅力と僕は思います。
とはいえ、「波高」はともかくとして、「うねりの周期」の値の大小をどのように捉えれば良いのかわからなくて、波高の値だけ見ていたり、そもそも数値予報を見ない方も少なくないのではないでしょうか。
以下は、数値予報の「波高」と「周期」の値をどのように読み取ればよいのか、僕の個人的な見方の例を説明しています。説明はかなり大雑把ですので、専門知識のある方が読まれると指摘しどころ満載ですが、あくまでも波のサイズ予想を簡潔に楽しむための一助として参考にしていただければ幸いです。
まずはブレイクのメカニズムのおさらい
うねりは浅瀬に近づくと、うねりの前後の波速に差ができることで、次第に波峰が高く持ち上がり、徐々に波峰が尖って耐えきれなるとブレイクします。ブレイクのメカニズムを大雑把に言いうとそんな感じですね。
実際は地形やうねりの速度、入射角など様々な条件が複雑にからみあいますが、それらの条件を全ての波において一定と仮定すると、小さなうねりも大きなうねりも、ブレイクする瞬間の断面をみると、大小の違いだけで同じ形になっているはずです。
うねりを三角形に見立てる
うねりの断面は、極端に言えば三角形ですよね?(ちょっと無理があるかなw)数値予報の波高を「高さ」、周期を「底辺」として三角形に見立てると、数値を見ただけでうねりの大きさや形をイメージしやすいかと思います。「周期は一つの波が通り過ぎる時間じゃないの?」と思われたかもしれませんが、周期はうねりの幅の長さに比例するので、ここでは三角形を頭の中で見立てるだけですので問題ない(?)でしょう。
ブレイクする時も三角形の面積は同じ
三角形に見立てたうねりは、浅瀬に近づくとだんだん持ち上がりながら幅が細く変形し、一定の形になるとブレイクします。うねりはエネルギーそのものですので、三角形の形は変わっても面積は変わりません。つまり、「もとの三角形の面積=ブレイクする瞬間の三角形の面積」ということですので、幅が細くなれば、その分高さが上がるということになります。
三角形の面積がサイズを決める
ここまで読んでいただいて、三角形の面積が波のサイズに関係しているということがわかりました。面積は波高(高さ)と周期(底辺)に比例しますので、数値予報を見るときは波高(高さ)だけでなく周期(底辺)も見る必要があることをお分かりいただけたかと思います。
台風スウェルも風波も面積しだい
例えば、台風が遠くにあるときに値予報をみると、波高0.6m 周期10.0sのように、波高は低いのに周期がとても長い値を示していることがあります。一方、低気圧が接近した時など風波が立つようなときは、波高1.2m 周期5.0sのように、波高だけ大きな値の時があります。「どっちのサイズが大きいの?」って思いますよね。そんな時は、前述の面積の話を思い出してください。どちらの面積が大きいですか?
台風のうねり:0.6✕10÷2=3
風波:1.2✕5÷2=3
そう、同じです。どちらもMINの解釈方法的には同じくらいのサイズの波ということです。
実際、使えるの?
じゃぁ、「実際にその解釈方法は使えるの?」という話ですが、ちょっとだけ実際の鵠沼の波情報データから分かりやすい例を抜きとってみました。
4件の例だけでは使えるとは断言できませんが、面積が3前後のデータを集めたところ下記のような結果でした。
検証データ数:3158件
〜スネ:16件(0.5%)
ヒザ:50件(1.5%)
モモ:159件(5%)
腰:440件(14%)
腹:686件(22%)
胸:885件(28%)
肩:619件(20%)
頭以上:303件(9%)
全国のサーフポイントのデータを集計しただけですので、実際にはそれぞれのポイントの地形、うねりの向き、うねりのスピードなどがサイズに影響するためデータにバラつきはありますが、かなり偏っていることはご覧のとおりです。
このように、数値予報を見れば上がる・下がるだけでなく、サイズまで予想することができそうです。
最後に、上記のような件数調査の結果から、数値予報を見てサイズを予想しようとする場合のざっくりとした目安を作ってみました。実際には様々な条件によってこのとおりではないことがたくさんありますが、先にも書きましたとおり、あくまでも波のサイズ予想を簡潔に楽しむ一助として興味がありましたら参考までに使ってみてください。(実感では、目安としてはまぁまぁ使えますw)
面積1:モモ以下
面積1.5:腰
面積2:腹
面積3:胸
面積4:肩
面積5以上:頭以上
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。