サーファーズジャーナル最新24.5号(日本版5.5号)12/10発売!

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最新号24.5号(日本版5.5号)の目次紹介!

Interminable Velocity

「果てしない速力」
25年ぶりにジョージ・グリノーがシェープしたサーフボードを、デイブ・ラストビッチがクラウドブレークでテストした。

デイブ・ラストビッチは、ジョージ・グリノーが25年ぶりにシェープした6’3”と8’8”のサーフボードをクラウドブレークに持ち込みサーフすることになった。ジョージはラストビッチにこう忠告する「このタイプのボードを試したことがないだろう?きっといままで乗ったボードのなかで最低のボードかもしれないぞ」と。そして、この2本のボードの特徴を次のように言う。「このボードは左右のレールの切り返しは容易だが、バンクへのアプローチの角度(ボードを左右どちらかに傾けた角度)がつきすぎるとスピードは減速してしまう。“デイブ”と私は呼びかけた。“その6’3”のセンタープレーンは狭すぎるから、きみのデカい足ははみ出して、オーバーコントロールしてしまうだろう。だからセンタープレーンのエッジとソフトなアウトサイドレールを上手に使うように。グッドラック!“。そして、デイブ・ラストビッチの、その驚愕の感想は、本誌でお読みください。

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Finisterra

「フィニステラ」
病みつきになるラバーズビーチの危険なショアブレーク。
文:スコット・ヒューレット

「フィニステラ」
低俗で混沌とした、海辺のラスベガスと呼んでもいい観光地になり果てたカボ・サンルーカス。そんななかにあって、病みつきになるラバーズビーチの危険なショアブレークは、今も健在だ。
文:スコット・ヒューレット
メキシコのカボを訪れていれば、ロスアルコスの人目を引く岩石層を目にしているにちがいない。そこは喩えるなら、北米大陸の西端が冠動脈狭窄(きょうさく)症を患(わずら)い、痙攣(けいれん)の大発作を起こして高く隆起したあと、海に頭からダイブしたような、そんな場所だ。沖合に出ると、海底は急激に、何百メートルも落ち込み、その先には深海の暗闇が広がっている。南極大陸までひたすらつづくその海底の地形により、遠洋からのスウェルはブレーキの役目を果たす大陸棚に阻(はば)まれることなく、岬に押し寄せる。進路妨害された陸地に怒りを叩きつけるかのように、トップギアのまま突っ込んでくるのだ。切り立つ岩石層の風上側にひそむラバーズビーチは、90mほど黄金(こがね)色の砂に覆われ、険しい小山に囲まれた、おそろしく強烈なショアブレークで知られている。2フィートの波でさえ、その姿はおぞましい。この手の波のエキスパート連中は、ラバーズビーチをめざしてわざわざカボまで足を運ぶ。そのほとんどがスキムボーダーとボディーボーダー。あとは風変わりなサーファーしかいない。親戚筋にあたるノースショアのケイキやワイメア・ショアブレーク、そしてニューポートビーチのウェッジと同じく、ラバーズの波にも膨大なエネルギーが凝縮されている。ヘビー級のダンパーウェーブと同じで、リップが頭上から落ちてくるまでのわずかな時間内に波の形の変化を体感するのが、連中の目的だ。

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All Manner Of Wealth

「人生という名の財産」
エクアドルの最初の女性サーファー、ドロシー・フラドの華麗なる半生。
文:グレッグ・ハグリン

エクアドルの小さな漁村、ジェネラル・ヴィラミル・プラヤスにほど近い海辺。ここに、ヴィクトル・エミリオ・エストラーダは1946年から48年までの2年間をかけて、壮麗(そうれい)なるフンボルト・ホテルを完成させた。1949年にオープンしたホテルは、60の客室と2室のハネムーンスィーツ、海水プール、大きなダンスホール、それからすぐに大人気となったパン屋を有していた。ヴィクトルの父親、エミリオ・エストラーダはかつてエクアドルの大統領を務めたこともある政治家で、一家はグアヤキルの街で暮らしていた。大手銀行の役員をしていたヴィクトルは、小さな漁村を一目で気に入り、村には教会や飛行場、カントリークラブとカジノが建てられた。ヴィクトルは村の発展のために飲料水を引き、ついでに軍事訓練学校までつくってしまった。

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Rolling Around the Park

「旅先の視点」
ストレートエアーやフェースシークエンスへの考察
文:デーン・レイノルズ
写真:ネイト・ローレンス

数年前、スケートボーダーたちとトリップに出かけたことがあり、彼らのトリックを撮影する様子が、印象に残っている。スケートボードは、サーフィンよりもトリックの依存度が大きい。連中が、パーク内をスケートボードでクルーズしている様子にカメラを向けることはない。いっぽうサーフィンは、絶えずパーク内をクルーズしているようなものだ。トリックを仕掛ける前提の乗り方なんてしない。スケートボーダーたちは、撮影スポットで過去にどんなトリックが試されたかを承知のうえ、あえて違うトリックを試すことに頭を悩ませる。そしてだれかが新しいトリックに、血を流し骨折するまでトライしつづけ、敗北を喫するか、勝利を収めるか、その狭間(はざま)で勝負する。このインドネシアでの撮影トリップでは、スケートボーダー的思考回路を採り入れ、トリックにもこだわりたいと考えた。そして、エアリバースはやらないことを決意。それはなぜか。スピン系の動きにはいいかげん辟易(へきえき)していたからだ。サーフ人生をつうじてスピンしまくり、それでキャリアも築きあげてきた。もういいじゃないか。このムービーではそうやって差別化を図り、見応えのある内容に仕上げたい。

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A Taste Of Margaret River

「マーガレットリバーの魅力」
オーストラリア西部の最前線、ボートランプスからボックスの波を探る。
文:アンソニー・パンシア

マーガレットリバーを代表するふたつのビッグウェーブポイントがあるが、マーガレットリバーの魅力はそれだけではない。ボックスからメインブレーク、サウスサイズ、ボンビー、そしてボートランプスまで全長2.2kmの海岸線は、インド洋の真っ青な大海原に面していて、永遠に広がる水平線は地球の丸さを実感させる。そして風、波のサイズとうねりの方角がすべてピタリと合ったとき、この場所の真価が発揮される。

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The Making Of The Murph Bar

「マーフバーのつくり方」
いかにして浚渫(しゅんせつ)船の船長は、サンタクルーズいちの波をつくり出したのか?
文:デーン・ラトレット

キャプテン・ジム・ライリーは、45フィート補給船の2気筒のエンジンを緩(ゆる)め、いつものように、浚渫用装置のパイプを、サンタクルーズ湾の防波堤の東に設置した。2000年1月、天気のよいさわやかな木曜の午後。潮とうねりの予報では、週末にむけて最高の波を造りだすことができそうだった。組合員三代目のライリーは、パイプが詰まらないよう手際よく調整する。一時間に1,000平方ヤードの速さで、ホースから沈殿物が吐きだされると、数分でサンドバーが形成されはじめた。サンドバーが大きくなってくると、一か所に溜めすぎないようバーを横に伸ばすために、パイプに空気を通して水中のホースを持ちあげる。潮が引くとバーが完全に出てしまうこともあるので、吐きだすタイミングを潮に合わせて、バーが最適な深さになるよう調節する。ライリーとクルーが仕事をはじめると、浚渫の噂(うわさ)を聞きつけたサンタクルーズのサーファーたちが、どこからともなくあらわれた。マーフバーが戻ってくる。沈殿物で茶色く濁(にご)った水がバーの上でブレークしはじめた。最初にブレークしたのは掘れた速いライト。そのうち突然変異したヨレたレフトもブレークしはじめた。ライリー自身、自分がやっていることの科学的根拠を理解しているわけではなかったが、何年間にもわたる試行錯誤の結果、なにがベストかは知っているし、特別なものをつくっていることだけは確かだった。近づかないよういつものホーンを鳴らしてみたが、それはサーファーにとっては夕食の準備ができたことを知らせてくれるベルに等しかった。最初のサーファーがテイクオフして波を駆け抜け、満足げな笑顔をみせてくれたのを見ると、ライリーは仕事をつづけた。

66

Tierra de Patagones

「ソーシャル・チェス」
ワイメアの遺産が残した令嬢。天から降りてきたエミ・エリクソンの評価
文:デレク・ハインド

エミ・エリクソンは、マーク・フーが師と仰いだワイメアの第一人者、ロジャー・エリクソンの娘だ。このワイメア初のアンダーグラウンド・クイーンは、混雑に関係なくドロップできて、この星に存在するあらゆるサーファーに刺激を与えてくれる。エミ・エリクソンを女王様と呼ぶデレク・ハインドが彼女をインタビューした。

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Port Folio: Re Ryo

李リョウが紡(つむ)ぐ世界
文:森下茂男

李リョウが本気で写真に取り組みはじめたのはアメリカに留学してからだ。1995年、36歳のとき。とはいえ、パイプラインでの水中撮影をスタートさせるにはあまりにも無謀な年齢だろう。そもそも、なぜ36歳にもなってからサーフ・フォトグラファーをめざしたのか?ヒトの視覚についてキュービズムに喩(たと)えて話す李リョウの写真論にアプローチする。

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