「おはようございます」
薄明るいAM5時。昨夜、次の日の予定も聞かぬままいつの間にか寝てしまった私達3人は、緑さんの声で目覚める。朝の満潮の時刻を狙うのがベストということで、寝起き全開で車にライドオン。
北上を続ける台風19号のうねりが強まり、太平洋側はほとんどのポイントでクローズィー。そのような時は、普段は成りを潜めているポイントが高いポテンシャルを解き放つ。
移動途中で太平洋側のグスクポイントも波チェック、湾になっているため、クローズはしておらず、やや強い北東のサイドショアの影響はそれほどでもなく、パッと見で頭半前後はある十分に遊べるコンディション。しかし、緑さんは車に戻り、私達もそれに続く。
多くは語らない緑さん、車に接続されたiPhoneからのメローな曲、徐々に変わっていく景色、心地よい雰囲気のドライブが続く。主要道路から外れて徐々に道は細くなり、路肩に駐車されている数台の車、南国特有の木々の間から見える青い海、そのアウトにスペシャルなレフトブレイクが姿を現す。グスクポイントで緑さんの頭の中にはこのブレイクが見えていたのだと確信。
頭~たまのセットはダブル近い、分厚いうねりからピークは一気に掘れてチュービーに入り速いか、小さめのもトロ厚いショルダーからフォームしてくる、セットも小さめも遊べるGoooooodコンディション。ローカルはガンで奥のピークから乗る波は大体チューブをメイク。潮が引いてくる10時過ぎに、後ろ髪を引かれつつロングラウンドを終了し、グリーンヒルに戻り2ラウンド目までのシエスタ。
2ラウンド目の予定は何も聞かされてない。なぜなら刻々と変わる風向きうねりの強さを判断し、ベストの答えを出発の直前に緑さんが出す。私達はこの方法が間違いがないことを、この2日間で完全に分からされている。緑さんの出した答えは東シナ海側の大浜海浜公園ポイント。太平洋側に比べ落ち着きつつも回り込んで入っているうねりはセットで頭サイズ位、風が東寄りに回りオフショアで整ったチュービーな質の良い波、そのうえ貸し切りというパーフェクトなポイントセレクト。東シナ海に日が沈むサンセットサーフィンを堪能。
日頃の早寝の生活習慣(早寝早起)もあり、充実した1日を過ごした私達の宴はPM10時が限界。
翌朝、空港に向かう車の窓から初日に入ったビラポイントが炸裂しているのを横目に見つつ、最高の思い出としてこれからも残るであろう2日間を私達にくれた奄美大島の海に「また絶対に来ますわ」と別れを告げる。
〈Special Thanks〉
パーフェクトなガイドをして頂いたメローで心地よい雰囲気の緑さん。
緑さんとは正反対に話大好き(特に下系)でいい加減なお父さん。
ボリューム満点な美味しい奄美郷土料理を毎日作ってくれたお母さん。
楽しく清潔で快適なグリーンヒルでの数日間を提供して頂いた弟さん・従業員の皆さん。