小川予報士のウラナミ『衝動買い』

小川予報士

小川予報士
小川予報士:「波伝説」および海専門気象情報サイト「マリンウェザー海快晴」の概況でおなじみの気象予報士。もともとはヨット部で培われた海の経験を、ウインドサーフィン、サーフィン、SUPなどに生かし、自称ウォーターマンを目指しています。

選手全員

先日、日本ではもちろん、アジアでも初めてのSUP世界大会が行われたのをご存知ですか? 「WATERMAN LEAGUE」というサーフィンで言うWCTみたいなSUPのワールドツアーがあり、今年はその前哨戦として、まずはレースのみですが、湘南・茅ヶ崎にてCHALLENGE SERIES「湘南茅ヶ崎カップ」が開催されました。ただし、前哨戦といっても、世界からは有数のトップ選手が招待され、また、日本国内からもトップ選手も選抜され、さらには選抜選手以外にも、世界のトップ選手を相手に一般レーサーも挑めるという大会でもあったので、日本中から数多くのSUPレーサーが集まっていました。

日本でこれだけの大きな大会が開催されるのは初めてで、しかも世界大会ということで業界はもちろん、メディアなど、かなり広い分野で期待された大会でした。自分は、この大会のオフィシャル気象予報士として大会に参加させていただいたとともに、連日、JSO(日本SUP振興会)のお手伝いとして、SUP試乗会や体験会の受付をやらせていただきました。

SUP試乗会

SUP試乗会

SUP体験会

SUP体験会

大会中は、ちょうど前線が本州付近に停滞し、その南側に張り出していた太平洋高気圧からの吹き出しで、連日にわたって南~南西風が強めに吹き、まとまりがないジャンクなコンディションが続いていました。それでも、予定どおり3kmレースに続いて、500mスプリントレース、6kmレース、そして10kmレースが行われました。

自分は、レースはまだやったことがなく、この荒れたコンディションの中でレースをやるにはかなりタフでハードなレースになるだろうと予想はしていたのですが、その予想をはるかに超えたかなりタフなレース展開となり、選手たちはゴールするなり、倒れ込む選手も多くいました。その中でも、見ていてかなり迫力があったのは500mスプリントレースです。

500mスプリントレーススタート

500mスプリントレーススタート

これは、スタートするなり、125mずつマークがあり、それをM字型に走りながらゴールを目指すというもので、ビーチからもかなり近い場所でレースが行われるので、見ているギャラリーからも見えやすく、マークを回るたびに順位が変わったりするので、かなり興奮しながら応援できる、というレースです。自分も初めて見たのですが、風波もあってまとまりがないジャンクな中でのレースだったので、余計に興奮しました。しかも、順位もわかりやすいので、かなり刺激になったのですが、レースに出場している選手たちは、それどころではなく、また、トーナメント制で敗者復活戦もあるので、短時間のうちに何レースも消化しなければならず、体力的にもかなり消耗するので、持久力も勝負の行方に大きく左右される、というものでした。

最終日には今回のレースの目玉である10kmレースも行われ、それは気の遠くなるようなコースを何周も回らなければならないので、これまたかなり体力がものをいう勝負となっていました。そうした中でもやはり上位に行くのは海外からの招待選手で、日本人ではトップと言われている選手でも、なかなか追いつけず、世界の壁を感じられたレースでもありました。

自分は、こうしたレースが行われている中、気象情報を気にしながら、SUP試乗会や体験会の受付をやっていたのですが、SUPに興味を持っている方は決して少なくなく、やったことがないのですが、ぜひこの機会に体験してみたい、乗ってみたい、という方が多く、常に定員をオーバーするくらいの人気でした。これからSUPがますます盛り上がる予感を感じました。

今回の大会期間中では、早朝や体験会などが始まる前などには、自分も試乗ボードに乗れる機会があり、何本か乗らせていただきました。その中で、今回始めて乗ったレースボードは、今までのSUPの感覚にはないような爽快感みたいなものがあり、はじめは乗りづらく、フラフラしていたのですが、徐々に慣れてくると、自分の中では多少早く漕げるようにもなり、その面白さを少しだけ感じられ、レースの魅力にちょっとだけハマリ始めた自分がいたのに気が付きました。でも、お金もないし、置く場所もないので、そのときは断念しましたが、近いうちにもし機会があれば、ぜひレースもやってみたいと思っています。

あと、ウェイブ用の試乗ボードもあったので、数本乗らせていただいたのですが、その中で、自分にピッタリ!というボードを勝手に発見し、おそらくメーカーの方の絶妙なアドバイスや、周りの雰囲気に完全に飲まれたのだと思いますが、まるでこの機会に自分に会うのを待っていたかのようなボードがあり(勘違い?)、完全に欲しくなったボードがありました。しかも、2015年モデルが発表になる直前で、2014年モデルは型落ちということでかなり安く手に入れることができます。とにかくその乗り味は、勘違いさせられるくらい、とっても良かったのです。その後、大会中はもちろん、終わってからもかなり迷い、悩み、奥さんへの言い訳をどうするかまで考え、それでもまだ悩み続けた結果、やはり買うことに決めてしまいました。おそらく、これを書いている本日、ボードが家に届いていることと思います。支払いについては、今後の自分のお小遣いのことを考えると相当痛いのですが、でも、後悔はしていません。今の気持ちは、まるで子供のころに買って欲しくて欲しくてたまらなかったスーパーカーのおもちゃをやっと買ってもらえるようになったときの、あのころの気持ちと変わらない感じです。家に帰るのがワクワク、ドキドキ! 今夜はきっとニューボードを抱いて寝るんでしょうね。

今まで乗っていたボードも大切にしていたので、お別れするのがとてもつらいですが、新たにできた彼女のような感じで、今度の彼女もとても大切にしたいと思います。
ちなみに、来年もWATERMAN LEAGUEの本戦が開催されることが決定していますので、またかなり盛り上がると思います。(試乗ボードがあったら、また買っちゃうのかな?)

小川予報士

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