☆加藤のウラナミ『渋谷(都会)でビーチクリーン!?』

☆加藤

☆加藤
☆加藤:会社代表であり、波乗りと海が大好きな50代サーファーです。子どもたちに安心安全な海を残すことと、島国などへ高精細な気象情報を提供することを残る人生のライフワークにしました。サーフトリップネタが多くなりますがお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

きれいな辻堂海岸

9月の終わりと少し前の話になりますが、湘南辻堂海岸において、アパレルブランド「URBAN RESEARCH DOORS」の地域社会貢献活動としてビーチクリーンが行われました。
別に湘南海岸でのビーチクリーンは珍しくはなく、また多くのサーファーが定期的にビーチクリーンをしているので、どこの海岸も大雨のあとを除けば、年間を通してかなりきれいな砂浜が維持されていると思います。

私はこのビーチクリーンに好感を抱いたので積極的に参加させて頂きました。
なぜ好感を抱いたのかと言えば、彼らが提唱するCATS ACT DIFFERENT(慣性から抜け出した猫達=人間)として、今後は都会でのビーチクリーン(清掃)に軸を移していくという話を聞いたからです。

海岸のゴミのおよそ7割は、都会の街に捨てられたゴミです。街の側溝などに捨てられたゴミは、大雨によって流されて、いずれは川を伝わり海に流れ着いてきます。
いくらサーファーらが熱心にビーチクリーンをしても、大雨が降れば翌日には悲しいくらいに大量のゴミが流れ着いてがっくりした経験を持つサーファーはたくさんいるはずです。『昨日まではあんなにきれいな砂浜だったのに……(涙)』
また、死んで海岸に打ち上げられた魚やカメのお腹から、大量のビニールなどの石油製品のゴミが詰まっているのを見た時には、きっと何とかしたいと誰もが強く思ったはずです。

都会に住んでいる人たちは、自分たちが捨てたゴミが、川を伝わって美しい海岸に漂着するという発想すらなかったのだと思うし、ましてやビニールやタバコのフィルターをクラゲと間違えて食べて死んでしまう数多くのウミガメや魚などがいることを知らなかったのだと思います。

ビニールで身体を制限されたカメ

ビニールで身体を制限されたカメ

街中でのビーチクリーンを通して、ゴミを捨てない、タバコのポイ捨てをしないマナーの啓蒙と啓発こそ、海岸ゴミをなくす根治療法につながります。きちんとそうしたことを世間に訴えていけば、いずれ海岸ゴミはかなり少なくなるはずです。
サーフライダーファウンデーションジャパン(SFJ)も、この活動を応援していて、いずれ東京渋谷の駅周辺で、サーファーとともに老若男女の都会の住民がビーチクリーンと称する街の清掃を通じて、海岸美化やカメや魚を救うことに貢献するムーブメントにつながれば、とても素晴らしいことだと思います。

1975~85年代の日本のサーフシーンを切り取った写真集『75-85 Surfing Japan』の中で、鎌倉峰が原で優勝トロフィーと賞金の小切手を掲げる抱井保徳プロの背後のビーチには、たくさんのゴミが流れ着いたままですし、鵠沼ブールガーデン前に集うサーファーの周りにもゴミがたくさん散乱していて、きれいになった現状とは隔世の感があります。

75~85写真集

75~85写真集

峰が原抱井さん

峰が原抱井さん

鵠沼プールガーデン前のゴミとサーファー

鵠沼プールガーデン前のゴミとサーファー

当時は、サーファーも住民も、誰もが海岸をビーチクリーンするという文化がほとんどありませんでした。サーファーは、砂浜に流れ着いたゴミをまたいでパドルアウトするのが普通だったのです。
これからは、大雨のあとでも、ナチュラルな枝や葉っぱのみが流れ着くような海岸になることを心から祈りたいと思います。
2020年にオリンピックが開催される魅力的な都市“TOKYO”だからこそ、素敵な都会でのビーチクリーンが展開できたら、きっと日本国中に伝わり、いずれは世界中にも広がる可能性を秘めていると思います。
東京渋谷の街中でビーチクリーンが企画されたら、ビーチクリーン用のマイトングを持参して、ぜひ参加してみたいと思っています。(了)

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