翌朝は、空いていて良さそうと考えた“ロキシー”でサーフしましたが、サイズは15分間隔くらいのセットで胸~肩、30分に1本くらいでも頭サイズのタルくショルダーの短い波だったので、2ラウンドサーフしたのちに移動を決めて、再びマカロニへと向かいました。
お昼ころに到着したマカロニは、前日よりもさらにサイズアップしていて、頭半前後のセットが来るようになっていたものの、我々を加えると5隻のサーフボートが集結し、さらにマカロニリゾートに泊まるゲストが加わって、20人以上の外人サーファーがセッションする激混み状態でした。(涙)
それでも辛抱強く待っていると、ランチタイムとも重なり、徐々にサーファーが減ってきたので、我々も一人ずつパドルアウトしていきました。
挨拶をしたら、『こんにちは、茅ケ崎の波いいね~。千葉一宮もいいね~。居酒屋はサイコー!!』と、日本語で若くイケメンのオージー君が笑顔で迎えてくれました。そのうえ、そのサーファーは目茶苦茶サーフィンが上手く、一緒の仲間の中にはWCT選手のカイ・オットン選手がいたので、きっとWQSランカーでも著名なサーファーに違いないと確信しました。豪ゴールドコースト(GC)から来たとのことなので、『すでにサマーシーズンに突入しているGCから、なぜサイズの小さくなったオフシーズンのメンタワイに来たの?』と聞いたら、『だってGCは、いつも混雑しているからね!!』とのシンプルな答えに納得しました。
なお、カイ・オットン選手はヒザのケガからのリハビリ中でしたが、トップアクションはすべてフィンが抜けていたし、エアー540リバースもものすごい高さでした。一緒に入っていたマッチ(波情報事業部長の上條将美元プロ)君は大絶賛しつつも、大きな刺激を受けてスイッチが入ったようで、シャープなリッピングを連発して、逆にオージーサーファー軍団からそのライディングが注目されていました。
サーフガイドのベボとマッチのライディング
http://youtu.be/HRphJ4pSUqc
結果的に、激混みのマカロニで、折角サーファーが減りつつあったところにあとから来た日本人チームが加わり、再び激混みとなってしまいました。普通ならば腹を立てたり、マナー悪く順番を飛ばしてテイクオフしようとするサーファーが居てもおかしくないのに、前日のRIP CURLチームと同様に、そんなサーファーは一人もいず、10~15分くらい待たされるセットをじっと我慢強く待ち、セットをドロップしていくすべてのサーファーに、周囲からそのライディングを励ますかのように『ヒュー、ヒュー』と掛け声をかけて皆が和気あいあいとその場をより楽しんだのでした。
今まで37年間のサーフィンしてきた経験の中で、たまたま居合わせたサーファー、特に外人との激混み状態のポイントで、二日間続けて紳士的にサーファー全員が順番をきちんと守ってサーフィンした経験は初めてでした。今でも思い起こすたびに、とても心地の良い有意義な体験を振り返ることができます。ワールドクラスの極上の波で知られるマカロニですが、集まったサーファーもワールドクラスの尊敬すべき極上のサーファー達だったと言えるでしょう。
今回のメンタワイボートトリップは、マカロニとバーガーワールドなどを除けば、サイズ的には頭サイズ以下のFun Waveサイズが中心でした。しかし、世界中のサーファーが憧れる極上の波ではなく、紳士的かつフレンドリーなサーファーとのセッションが、我々にとっては貴重かつ幸せな“生涯の語り草となる素晴らしい体験”となったのでした。
今後も極上なサーフポイントには、紳士的な尊敬できるサーファーが集うことを祈るとともに、自分自身も少しでもそうありたいと強く考えた素敵なメンタワイボートトリップでした。出会った紳士的な外人サーファーと、一緒にボートトリップした日本人メンバーすべての方に、心から感謝したいと思います。(了)
追伸
出発直前、日本に里帰り中に、急病により急逝されたスマトラサファリの創設共同オーナーである故藤田アキノリ氏のご冥福を衷心よりお祈りいたします。また、これからもメンタワイをサーフするすべてのサーファーを、天国から温かく見守ってくれることでしょう。
今回のマカロニでの心温まるスーパーセッションは、きっとアキさんの演出ではなかったのかなと思っています。
アキさん、ありがとうございました。そして、長い間本当にお疲れさまでした。